中立的なアドバイスと保険代理店の両立について

インターネット広告法務
2021/10/04 04:20
現在個人向けに資産形成を支援するアプリを開発しています。 今後AIなどによる分析で顧客に合った保険商品のアドバイスなども行いたいと考えております。 保険商品のアドバイスやアセットアロケーションなどの資産運用のアドバイスも含めて、「AIでの分析による『中立的』なアドバイスを行う」というようなアプリのPRを考えております。 一方、現在弊社では上記アプリの開発・運営のサービスの他に直接顧客と対面してのファイナンシャルプランニングサービスも行うことを考えており、現在保険代理店(保険募集人)としての登録しています。 保険代理店(保険募集人)として活動するにあたり、『「公正・中立」を掲げることは顧客に「保険募集人は保険会社のために保険契約の締結の代理または媒介を行う立場である」ことを誤認させてしまう可能性があるので、このような表示を行わないよう留意しなければならない』ということが生命保険協会の「保険募集人の体制整備に関するガイドライン」に記されています。 また、保険業法施行規則227条や、金融庁の保険会社向けの総合的な監督指針のⅡ-4-2-9でもこのようなことに言及しております。 弊社で行う保険代理店業では「公正・中立」を掲げることは考えていませんが、弊社の運営するアプリ上でのAIによるアドバイスを「中立」と掲げることは考えております。 弊社のアプリのサービスは保険代理店業とは別サービスになるので、「中立」を掲げることは問題ないとは考えておりますが、そのアプリの運営会社が保険代理店業を営むという立場である以上このような表示は問題になったりするのでしょうか? 長文になってしまい恐縮ですが、ご回答のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
弁護士とのやりとり
  • 岡田 奉典 弁護士
    レックス法律事務所
    2022/01/06 13:05
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    ガイドライン等で禁止されているのは、保険会社のために活動している代理店であるにもかかわらず、保険会社と顧客との間で中立であると誤解させるような表示をしてはならないということです。 開発しているアプリは、具体的な保険会社の名前まで出してアドバイスするものでしょうか。 もし所属保険会社のいずれかを推奨するようなアドバイスをするのであれば、ガイドラインを踏まえて、アプリのアドバイスについて「所属保険会社の間で公平・中立である」との表示としたうえで、商品の絞込みや提示・推奨の基準・理由等として、特定の保険会社との資本関係や手数料の水準その他の事務手続・経営方針などの事情を考慮することがないよう留意すべきです。 またアプリのアドバイスにおいて具体的な保険会社の名前まで出さないのであれば中立と掲げることに問題はないかと思いますが、代理店で扱っている商品や保険会社に誘導するようなことがないよう留意する必要があるかと思います。 また進めるに当たっては、契約している保険会社の確認も取っておいた方が良いかと思います。
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