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自分の敷地に無断駐車された車両がある場合の対応

2020/06/10 18:00
この記事の監修者
道下 剣志郎
道下 剣志郎
SAKURA法律事務所 弁護士(第一東京弁護士会)
宮本 武明
宮本 武明
SAKURA法律事務所 弁護士(第二東京弁護士会)

1 無断駐車車両への対応

自分の所有する敷地に無断駐車車両があると、その空間を使用できなくなるので、早急に対応したいところです。もっとも、その考え得る対応の中には違法となり得るものもあるので、慎重に進める必要があります。対応としては以下のようなものが考えられます。 

・場所を移動する 

自分の敷地内の邪魔にならない場所に移動することは原則として問題ございません。もっとも、移動の際にキズが付いたなどといちゃもんをつけられた場合に備えて、移動前と移動後の車両の写真を撮っておくことが望ましいです。なお、自分の敷地内ではない別の場所に移動することは、違法行為となりかねないので、原則として控えた方がよいです。

・貼り紙を貼っておく

張り紙を貼っておくことも基本的に問題ございません。内容としては、「私有地につき、速やかに撤去をお願いします。●月●日までに撤去がなされない場合は、法的措置をとります。」といったものになると思います。無断駐車は違法ではありますが、こちらの脅迫とならないよう、文言が穏当なものになるようご注意ください。また、張り紙のテープで塗装が落ちたなどといちゃもんをつけられないよう、ワイパー部分に入れ込むといった方法がよいように思います。

・車にチェーンを付ける 

これは控えるべきです。所有者がチェーンに気づかずに車両を発進し、チェーンによってホイール部分等が損壊した場合は損害賠償請求される可能性があります。違法駐車の証拠を残しておきたいのであれば、違法駐車期間が分かるようにして写真を何枚か撮っておけば十分です。

・処分する 

こちらも控えるべきです。違法駐車車両であっても、他人の所有物であり、これを勝手に処分した場合損害賠償請求される可能性があります。これは、違法駐車の期間がどれだけ長くても同じです。 

 ・警察に連絡する

こちらは選択肢としてはあり得ますが、警察が必ずしも動いてくれるとは限らない点はご留意ください。警察に連絡する場合、被疑事実としては、例えば、会社の敷地であれば、威力業務妨害罪などがあり得ます。

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 2 無断駐車車両に対する法的請求 

上述した無断駐車車両への対応について、適法なものは、どれも実効性のあるものではありません。そこで、時間はかかりますが、法的手続きを行うことが望ましいです。まずは、ナンバープレートや車体番号から車両の所有者を特定することになります。そこから交渉を進め、解決できない場合は裁判手続に進むことになります。裁判で主張する請求権としては、以下の二点があります。

・妨害排除請求権 

まず、敷地の所有権に基づく妨害排除請求をすることが考えられます。

また、所有者に限らず、敷地を賃借している場合も、賃借権に基づく妨害排除請求を行うことができます。賃借権に基づく妨害排除請求は、判例で認められていたものでしたが、民法改正により明文化されました(改正民法第605条の4)。 

・損害賠償請求権 

無断駐車車両は、違法に他人の敷地を占有し、所有者の所有権という財産権を侵害しているので、所有者は無断駐車者に対し、不法行為に基づく損害賠償請求ができます。問題となるのは損害額ですが、近隣の駐車料の額が参考になります。損害額を算定するにあたり、違法駐車の期間を証拠化しておくことが極めて重要です。また、無断駐車に起因するその他の損害がある場合は、その分賠償額が加算され得ます。

3 無断駐車車両に対する法的手続き 

無断駐車車両に対し、上記のような法的手続きをするには、まず、請求の相手方としての無断駐車者または無断駐車車両の所有者を特定する必要があります。 

通常は、ナンバープレートや車体番号から車両の所有者を特定します。そこから、弁護士を交えて交渉を進め、解決できない場合は裁判手続に進むことになります。

裁判手続きにおいて、上述した妨害排除請求および損害賠償請求をしていくことになります。

この記事の監修者
道下 剣志郎
道下 剣志郎 SAKURA法律事務所 弁護士(第一東京弁護士会)
一橋大学法学部法律学科卒業。慶應義塾大学法科大学院法務研究科卒業。日本最大の法律事務所である西村あさひ法律事務所に勤務後、SAKURA法律事務所開業。会社法・金商法をはじめとする企業法務全般を手掛け、国内外のM&A、企業間の訴訟案件、危機管理案件、コーポレート・ガバナンス、株主総会対応等、幅広い案件を取り扱う。
宮本 武明
宮本 武明 SAKURA法律事務所 弁護士(第二東京弁護士会)
慶應義塾大学法学部法律学科卒業。慶應義塾大学法科大学院法務研究科卒業。4大法律事務所の1つであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所に勤務後、SAKURA法律事務所開業。広くファイナンス分野を業務分野とし、資産運用会社への出向経験を活かして、上場支援、コンプライアンス関連業務、M&A、コーポレート・ガバナンス等の案件に従事するほか、訴訟案件や一般企業法務案件も担当する。
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